憧れの沖縄移住。ゆったりのんびりオキナワライフを満喫している移住女子のみなさんに、移住のきっかけや沖縄生活のススメについて聞きました。
才能あふれる若手アーティストを育てるのが沖縄への恩返し
(プロフィール)
YuMe(ユメ)
シンガーソングライター兼ボーカルプロデューサー
千葉県船橋市出身。2011年に沖縄移住。
2005年『Sound of me』(『開運!何でも鑑定団』エンディングテーマ)でCDデビュー。
ファーストアルバムから3曲がドラマ主題歌に起用されるなど活躍する一方、ボーカルトレーナーとして自ら千葉県内にスクールを開業。移住後は沖縄でも「Yumeボーカル教室沖縄/泡瀬校」をオープンし、千葉・沖縄の2校を経営する。
移住したきっかけは?
東日本大震災がきっかけです。当時出産したばかりで、小さな子供を育てながら、余震や放射能のニュースに不安を感じて、精神的に辛い日々を送っていました。
沖縄はもともと好きで、いずれ住めたらいいなと思っていたんですけど、落ち着いて子育てできる環境を求めて移住を決意しました。たまたまいい物件を見つけて、すぐに夫と息子と家族3人で引っ越しました。
沖縄での生活はどうですか?
最初のうちはさみしい気持ちもあったんですけど、わたしたち家族と同じように、震災がきっかけで移住してきた方も多くて、すぐに友達ができました。
友達が友達を紹介してくれて、沖縄の“横のつながり”ってほんとにすごいんだなって実感しました。子供もすぐに沖縄の環境になじんで、家族で穏やかな日常を過ごせています。
仕事や収入面での不安はありませんでしたか?
移住したばかりの頃は子育てに専念して、アーティスト業もトレーナー業もお休みしていたのですが、そのうちネットで見た地元のひとたちから指導してほしいとお願いされて、沖縄でもスクールをはじめることにしました。
最初は数人だった生徒さんも1年ほどで50人くらいに増え、今では100人以上になっています。沖縄は音楽が盛んな土地で、プロ・アマ含めてシンガーもたくさんいるんですけど、指導者の数は多くなくて、ボーカルトレーナーが求められていたんだと思います。
同じように、沖縄で需要はあるけどまだ人が足りていない職業や分野はまだまだあるんじゃないかと。沖縄は賃金が安いという印象を持つ人もいると思いますけど、手に職を持っている人やなにかやりたいことがある人には、むしろ都会よりもチャンスを広げやすいいい環境かもしれません。
今現在特技や資格を持っていない人でも、働きながら技術を習得して、目的を持てば、有意義な時間を過ごせると思いますよ。
他にも沖縄の好きなところがあれば教えてください
そうですね、東京で仕事してたころと比べて一番違うなと感じるのは、一度会った人と必ずといっていいほどまた会うこと(笑)。東京にはたくさん人がいて、街中でばったり知り合いと顔を合わせることもそうしょっちゅうあるものではないんですよ。
悪い意味でとらえると、人間関係が崩れたら気まずいということもありますけどね(笑)。でも、ひととのつながりを意識して、大切にできる。ひとりひとりとの出会いが貴重なものに感じられるんです。
それに、子育てもしやすいです。東京だと、赤ちゃん連れで電車に乗ったり外食したりするのって、周りの視線を気にしてすこしピリピリしてしまうんですけど、沖縄だと子供を連れてどこへでも気軽に出かけられる。
こっちにきて車の免許も取りました。東京だとそんなに必要なくて取ってなかったんですけど、車の運転ができるようになって行動範囲も広がって、よけいに楽しくなりましたね。
沖縄でのこれからの目標は?
沖縄校も6年目に入って、生徒の中にもメジャーデビューを目指す人やプロのアーティストとして活動する人も増えてきました。沖縄の若いアーティストは素直で吸収力、表現力の高い人が多く、教える側としてもとても楽しいんです。
歌は明確な答えがなく、人によって正解も不正解も違ってくるので、学校の勉強よりも難しかったりするんですけど、頭で考えずに感覚でとらえてくれる人が多い印象ですね。
今年に入ってからは、音楽事務所「ユメミュージック」としてアーティストのプロデュースにも力を入れています。まだはじめたばかりで、わたしも勉強中ですけど、いずれはメジャーアーティストを輩出するのが今の目標のひとつですね。
わたし自身、沖縄に移住してきてすごく気持ちも楽になれたし、そういう意味では沖縄という土地に恩も感じているので、若手アーティスト育成を通じて、沖縄の音楽シーンの活性化につなげられれば、すこしは沖縄への恩返しができるかなと思っています。