「一期一会」
一生に一度の機会と考えて、そのことに専念するという意味の言葉です。 もともとは茶道の心得から生まれた言葉で、広く知れ渡っている考え方ですよね。
「どの茶葉とも“一期一会”の出会いなんです」。
そう話してくれた店主の言葉がとても印象的だった今回のお店。 紅茶の専門店「Nymolle」さんをご紹介したいと思います。
実は振れ幅広~い紅茶の味わい
紅茶の茶葉を専門に取り扱うティーショップ「Nymolle」 バラエティ豊かな茶葉を取り扱っているお店です。
そんななか、店主の福原さんが特に力を入れているのは、ブレンドされていない生産者が明確な単一農園の茶葉。
「一般的に売られている茶葉は、例えば“ダージリン”や“アッサム”など、銘柄ごとに味が統一されているのが当たり前だと感じる方も多いと思いますが、実はそうではないんです。
一定の味を保つために各社がブレンドしているもので、ストレートの茶葉は一つ一つ味が異なっていて、私はその魅力をもっと知ってほしいと思うんです」と福原さんは話します。
例えばこちらの「ダージリン」。
ダージリンとは産地の名前のことですが、そこには87もの茶園があるのだそう。
そして、その中の同じ茶園の茶葉であっても、その年ごとに、そして採れる時期ごとに、風味が変わるというのだから、その味わいの広さは計り知れないほどです。
ちなみに時期ごとに…という表現もさらに厳密にいうと、ロットナンバー(各茶園が採れた日によってつける通し番号)ごとに風味が変化していくんだそうですよ。
お写真のダージリンは、今年の春に摘まれたばかりのファーストフラッシュの茶葉で、特に右側の茶葉はロットナンバー“01”の称号を持つ貴重なもの。
とはいえお話を聞いていると、“ロットナンバー01だから”とか関係なく、お店に並ぶ茶葉のどれもが、すごく貴重なんだということが改めて伝わってきます。
福原さんが話す「一期一会」な茶葉の、それぞれのストーリー…ほんとロマンを感じるんです!
紅茶の奥深さは、茶葉の種類だけではありません。
どうやって入れるか…というのもまた、楽しみの一つ。
お店では、茶葉やお水の分量や蒸らし時間、美味しく入れるコツなども丁寧に教えてくれます。
「煮出し」や「水出し」など、様々な入れ方や、茶葉に合わせたそれぞれのポイントなど、聞いているとどれも試してみたくてうずうずしてきます。
また、「自分の好みの味わいを探していくことも楽しいですよ」と福原さん。
しっかり計量して、ちょっとずつ分量や蒸らし時間などを変えながら試し、その味の変化を知っていく…。
ついついハマッてしまいそうです。
また、等級(グレード)がわかってくると、茶葉選びがさらに楽しくなってきます。
等級とは、茶葉の大きさや形状を表すもので、たとえばよく耳にする「オレンジペコー」もそのうちの一つ。
「O.P」のようにアルファベットで表記されているのですが、
「O.P(オレンジ・ペコー)」
「G.F.O.P(ゴールデン・フラワリー・オレンジ・ペコー)」
「T.G.F.O.P(ティピー・ゴールデン・フラワリー・オレンジ・ペコー)」
「F.T.G.F.O.P(フィナー・ティピー・ゴールデン・フラワリー・オレンジ・ペコー)」
…というふうにグレードは細かく分けられていてアルファベットで表記されています。
茶葉の大きさや形状によって、風味や抽出時間などが異なってくるので、それを把握していると中身の見えないパッケージに入っていてもどんな茶葉なのか検討がつきやすいのです。
ちょっと上級編ですが、みなさんもお店に行った際にはぜひチェックしてみてくださいね。
店内には、ギフト用の可愛らしいパッケージのお茶や茶器、小物類もそろいます。
見ているだけでも楽しくなってきますが、自宅にそろえたり贈ったりすると、紅茶の楽しみがさらに増えそうですね。
見た目にも楽しい茶葉がズラリ。
なかには沖縄産のものもありましたよ。
国産紅茶グランプリ2015で、みごと準グランプリを受賞したという「金川(かにがわ)」の茶葉を使った「美ら花 紅茶」も販売しています。
店主の福原さんとスタッフの伊禮さん。
お二人とも本当に紅茶が大好きで、ささいなことから「あ、これはちょっと難しい説明ですが…」と専門的なことまで丁寧に教えてくれます。
「まずは紅茶を“自分で入れてみよう”と思ってもらえると嬉しいです」と福原さん。
あなたの好みに合わせて親身にアドバイスしてくれるので、とにかく気軽にお店を訪れてみてください。
きっとあなただけの素敵な紅茶との出会いがありますよ。