日々、祈るように描く。
まつり、戦争、人、宇宙、音楽……。
文字や呪文のようにも見えるその絵は、なにを伝えようとしているのか?
宮古島出身で、東京で約40年間活躍するグラフィックデザイナー、宮川隆。
1993年のある日、彼は突然1枚の絵を描いてしまった。
今まで学んだどの技法とも違う、自分が描いた実感のない絵。
「自分はどうしてしまったのか?」
それから20余年、彼は宮古島の「カンカカリャ」(霊能者/ユタ)として、
島の神々から受け取る宇宙規模の情報を、紙に「うつしとる」ことを続けてきた。
そんな人智を超えた奇想の絵画群が、今春、初画集『みやこ』として刊行。
これを記念して、画集掲載作品のパネルや未発表作品を含む原画を展示(一部販売)する地元・沖縄では2008年以来8年ぶりの個展を、再びカフェユニゾンで開催!沖縄ならではの、「祈り」のアートにぜひ触れてみてください。
「ある日、自分のもとへ、自分ではないものがやって来た。
そして描く事がはじまる。発狂したと思った。」
宮川 隆(みやがわたかし)
1955年沖縄県宮古島生まれ。グラフィックデザイナー。沖縄が日本に返還された18歳の年に上京。日本画を学ぶため、大学進学をめざすが失敗。紆余曲折ののち「工作舎」へ入社し、グラフィックデザイナーに。93年にフリーとなり、エディトリアルデザインの領域で仕事を行う。同じ頃、「絵」も描き始め、「カンカカリャ」となる。現在もデザイナーとして東京で活動中である。奈良美智氏、よしもとばなな氏らの著書の他、カフェユニゾン代表・三枝克之の著書『月のオデッセイ』『風に聞いた話』の装丁も担当。
宮川 隆 画集『みやこ』(リトルモア)※2016年4月発行
定価:本体価格2,200円+税
●ISBN 978-4-89815-436-6 四六判/192ページ/並製
●デザイン:宮川隆、服部一成 故郷・宮古島でカンカカリャ(霊能者/ユタ)と認められた異才の画家、初の画集。〈「この宇宙が無くなるまで、つきあってくれないか?」。私は「はい」と答える。〉
※所収・宮川隆「この本についてのメモ」より
リトルモア HP:http://www.littlemore.co.jp
「アール・ブリュット」や「アウトサイダー・アート」という既存の枠の中で 羽交い締めにするには、あまりにも生々しく今を活きすぎている。
――椹木 野衣(美術批評家)
とてつもなく自由に見えて、壮大な秩序がある。 「ある」ということを強く感じさせる、存在の絵画だと思った。
――寺尾 紗穂(音楽家、文筆家)
※画集『みやこ』所収の論考より